ウェブ分析ソフトウェアの「チャートビート(Chartbeat)」が30日間トライアル版を公表している。
彼らが掲げるのは、バックオフィスでただデータを分析する人ではなく、行動する人のためのツールの提供。そのメッセージが示す通り、チャートビートは、記者や編集者に、読者がウェブニュースのどこを訪れているかを秒単位のリアルタイムで伝える、まさにニュースサイトが奏でるニュースのビートをチャートで見える化するソフトウェアだ。
チャートビートを生みだすのは、44人の科学者やデザイナーたち。彼・彼女らは自身をリアルタイム革命のリーダーと称する。編集者や記者、マーケッター、開発者などにオンラインのインタラクティブなデータを提供する。その情報は、第一線の人々に役立つデータの提供だ。
どんな事業であれ、営業や制作の第一線はカオス状態であることが多く、大局的な視点からの分析や戦略とリアルタイムで連携するのは難しい。しかし、チャートビートは、リアルタイム情報に基づき、素早く正しい判断を下し、スピーディな行動をとることができるソフトウェアだという。
そんなチャートビートが得意とするのは、マス情報のパターン化などを行う従来の統計分析ではない。ウェブページの訪問者が何をしたか、リンク先ブログにアクセスしたか、連動するフェイスブックページやツイッターなどのSNSに書き込みをしたかなど具体的なアクションをリアルタイムで分析するのがチャートビートだ。
アドエイジ・メディア・バズ(Ad Age media buzz)が3月18日に伝えたところによると、チャートビートが1500人を対象とした「エンゲージ・タイム」に関するオンライン調査の結果、5秒間の広告でブランド名が記憶に残った読者の割合は50%だったのに対し、15秒間では、70%の読者がブランド名を思いだしたことがわかったという。チャートビートは第三者機関とともに、相関関係について、さらなる研究を進めるという。
プロダクト・マネージャーのアレックス・カルシロ(Alex Carusillo)氏によると、「チャートビートが示す結果は、読者は、従来考えられてきたのとは違うところで多くの時間を過ごしていることがわかった」という。これにより、広告営業の担当者は広告主に対してより効果的な広告出稿の場所を伝え、アピールすることができるというわけだ。
オンラインからオフラインへ効果的なマーケティング施策に、ビッグデータの活用が期待されるが、データに振り回されて、ユーザーのニーズの後追いに終始してしまうマーケターも少なくないという。チャートビートは、そんな課題を抱えるマーケターやウェブメディアにとって新たなソリューションをもたらすのではないだろうか。
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